ミニピル「スリンダ」
【新しい選択肢】ミニピル「スリンダ」:年齢や血栓リスクでピルを諦めていた方へ。
低用量ピルは、避妊や月経に関する症状の改善を目的として広く使用されています。一方で、年齢、喫煙、片頭痛、血栓症リスク、体質などにより、エストロゲンを含む低用量ピルの使用が難しい場合があります。「年齢や持病、タバコを理由にピル処方を断られてしまった」「従来のピルだと副作用(むくみや吐き気)が辛くて続けられなかった」という方が当院にも相談に来られます。
当院は 2025年に承認された新しいミニピル「スリンダ(スリンダ錠28)」を導入しました。 スリンダは、従来の低用量ピルが合わなかった方や、エストロゲンを避けたい方にとって、選択肢の一つとなる薬剤です。当院では、総合診療科専門医が、既往歴、服用中のお薬、喫煙歴、血圧、ライフスタイルなどを確認したうえで、安全性に配慮しながら処方を検討します。特徴、効果や注意点について解説いたします。
スリンダが検討される方とその特徴
- 年齢(40歳以上)や喫煙習慣、高血圧、肥満などでこれまでにピルを断られた方
- 前兆のある片頭痛持ちの方や、血栓症のリスクを指摘されたことがある方
- 授乳中だけれど、確実な避妊を希望される方
- 従来のピルで、強い吐き気や頭痛、むくみなどのマイナートラブルに悩まされていた方
- これまでのミニピルで不正出血が長引いてしまった方
【ドロスピレノンという黄体ホルモンについて】
- 避妊効果 : 従来のミニピルは、主に子宮の入り口の粘液を変化させて精子を入りにくくする作用が中心でしたが、スリンダは排卵を抑える働きを持ちます。臨床試験では従来の低用量ピルと同等と高い避妊効果が得られています。
- 身体への負担 : ピルを使用すると「太る」「むくむ」と考えられいったイメージがありますが、スリンダの主成分であるドロスピレノンには、体内に余分な水分が溜まるのを防ぐ作用(抗ミネラルコルチコイド作用)があり、むくみや体重増加などの身体負担の軽減が期待されます。また、エストロゲンを含まないため、吐き気やめまい、頭痛といった副作用の軽減も期待できます
- 月経トラブルの緩和 :排卵を抑えるというメカニズムから、重い生理痛(月経困難症)や過多月経、月経前症候群(PMS)の症状を和らげる副次的な効果も期待されます。
正しい飲み方と注意点
スリンダは、1シート28錠、有効成分を含む錠剤24錠と、お休み期間に服用する偽薬4錠を、毎日1日1錠、できるだけ同じ時間に連続して服用します。初めて服用する場合は、月経の第1日目から飲み始めます。他のピルから切り替える場合は、前のピルの服用状況により開始時期が異なりますので、医師の指示に従ってください。
服用にあたっては、以下の点に注意が必要です。
スリンダはエストロゲンを含まないため、血栓症リスクに配慮した選択肢として検討されます。一方で、服用初期には、不正出血、すなわち生理以外の出血が比較的高い頻度でみられることがあります。これは、身体が新しいホルモンバランスに慣れる段階で起こるものとされています。多くの場合、服用を継続するうちに出血の頻度は減ってきますが、出血が長引く場合、不正出血の量が多い場合、強い腹痛を伴う場合など、ご心配な症状や不安な症状がある場合は、医師にご相談ください。
