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不眠症|眠れない・夜中に目が覚める|その原因と治療について

睡眠薬だけに頼らない、総合診療科専門医による不眠症診療

「なかなか寝つけない」
「夜中に何度も目が覚める」
「朝早く目が覚めて、その後眠れない」
「眠ったはずなのに、朝から疲れが残っている」

このような症状が続いている場合、不眠症が関係していることがあります。

不眠症は、単に「睡眠時間が短い」というだけの病気ではありません。十分に眠れない状態が続き、その結果として日中の眠気、倦怠感、集中力低下、意欲低下、頭重感、気分の落ち込みなどが出てくる状態です。一時的に眠れない日があること自体は珍しくありません。しかし、眠れない状態が続き、日常生活や仕事、家事、学業に支障が出ている場合には、早めに原因を確認することが大切です。

不眠症とは?

不眠症とは、寝つきが悪い、途中で目が覚める、朝早く目が覚める、眠りが浅いといった睡眠の問題が続き、日中の生活に影響が出ている状態をいいます。

大切なのは、睡眠時間の長さだけで判断しないことです。

必要な睡眠時間には個人差があります。6時間程度で日中元気に過ごせる方もいれば、7〜8時間眠らないと疲れが残る方もいます。逆に、長く寝床に入っていても、眠りが浅く、日中の不調が強い場合には、睡眠の質に問題があることがあります。

そのため、不眠症では、

・どれくらい眠れているか
・途中で何回目が覚めるか
・朝の目覚めはどうか
・日中に眠気やだるさがあるか
・仕事や生活に支障が出ているか

を総合的に確認することが重要です。

不眠症の主なタイプ

不眠症にはいくつかのタイプがあります。複数のタイプが重なることも少なくありません。

入眠困難

布団に入ってもなかなか寝つけないタイプです。

「眠らなければ」と思えば思うほど目が冴えてしまう、翌日の仕事や予定が気になって眠れない、といった方に多くみられます。不安、緊張、ストレス、生活リズムの乱れが関係することがあります。

中途覚醒

夜中に何度も目が覚めるタイプです。

トイレで目が覚める、少しの物音で起きてしまう、寝てもすぐに目が覚めるといった症状があります。加齢、アルコール、睡眠時無呼吸症候群、前立腺肥大、痛み、かゆみ、咳などが関係していることもあります。

早朝覚醒

予定よりかなり早い時間に目が覚め、その後眠れなくなるタイプです。

加齢に伴って起こることもありますが、気分の落ち込み、うつ状態、強いストレスが背景にある場合もあります。

熟眠障害

睡眠時間は確保しているのに、「ぐっすり眠れた感じがしない」「朝から疲れている」と感じるタイプです。

睡眠の質の低下、睡眠時無呼吸症候群、ストレス、慢性疲労、生活リズムの乱れなどが関係していることがあります。

不眠症の原因は一つではありません

不眠症の原因はさまざまです。「眠れないから睡眠薬を飲む」というだけでは、背景にある問題を見逃してしまうことがあります。

ストレス・緊張

仕事、家庭、人間関係、介護、育児、環境の変化などは、不眠の大きな原因になります。頭では疲れているのに、布団に入ると考えごとが止まらない。翌日のことが気になって眠れない。このような状態では、脳と自律神経が休まりにくくなります。

生活リズムの乱れ

夜更かし、休日の寝だめ、昼寝のしすぎ、在宅勤務による活動量低下、スマートフォンの長時間使用などは、体内時計を乱し、不眠につながることがあります。特に、朝の光を浴びる時間が少ない方、夜遅くまで明るい画面を見ている方では、眠る準備が整いにくくなることがあります。

身体の病気

不眠の背景に、身体の病気が隠れていることもあります。

たとえば、

・咳や喘息
・皮膚のかゆみ
・痛み
・頻尿、前立腺肥大
・胃もたれ、逆流性食道炎
・甲状腺機能亢進症
・心不全や呼吸器疾患
・睡眠時無呼吸症候群
・むずむず脚症候群

などです。このような場合、不眠そのものだけでなく、原因となっている病気を評価し、治療することが重要です。

こころの不調

不安障害、うつ病、適応障害など、こころの不調でも不眠はよくみられます。

特に、

・気分が落ち込む
・以前楽しめていたことが楽しめない
・食欲が落ちた
・朝方に強くつらい
・仕事や家事への意欲が出ない
・不安が強く、考えごとが止まらない

といった症状を伴う場合には、単なる不眠ではなく、こころの不調が関係している可能性があります。必要に応じて、専門医療機関との連携も含めて対応いたします。

薬・カフェイン・アルコール

薬や嗜好品が不眠に関係していることもあります。カフェイン、ニコチンには覚醒作用があります。コーヒー、紅茶、緑茶、エナジードリンク、チョコレートなどは、摂取する時間帯によって睡眠に影響することがあります。また、寝酒は一時的に寝つきをよくするように感じることがありますが、睡眠の後半を浅くし、中途覚醒や早朝覚醒を増やすことがあります。一部の薬剤でも眠りに影響が出ることがあります。内服中の薬がある場合には、自己判断で中止せず、医師にご相談ください。

不眠症を放置するとどうなる?

不眠が続くと、日中の生活にさまざまな影響が出ます。

・日中の眠気
・倦怠感
・集中力低下
・判断力低下
・頭重感
・イライラ
・気分の落ち込み
・食欲低下
・仕事や学業の効率低下

睡眠は、脳と身体を回復させるために重要です。不眠が長く続くと、生活習慣病やうつ病、不安障害などと関連することもあります。「そのうち眠れるだろう」と我慢し続けるよりも、早い段階で原因を整理し、生活習慣や治療方針を見直すことが大切です。

不眠症の治療

不眠症の治療では、まず原因を確認します。不眠の背景に、咳、かゆみ、痛み、頻尿、睡眠時無呼吸症候群、こころの不調、薬剤、生活リズムの乱れなどがある場合には、それぞれに応じた対応が必要です。当院では、睡眠薬を処方するかどうかだけでなく、以下のような点を確認しながら診療を行います。

・いつから眠れないのか
・寝つきが悪いのか、途中で起きるのか、朝早く起きるのか
・日中の眠気や倦怠感があるか
・いびきや無呼吸を指摘されたことがあるか
・夜間頻尿があるか
・咳、かゆみ、痛みなどがあるか
・ストレスや気分の落ち込みがあるか
・カフェイン、アルコール、喫煙習慣
・内服中の薬
・生活リズムや勤務形態

これらを総合的に確認することで、一人ひとりに合った治療方針を考えていきます。

睡眠薬について

不眠症の治療では、まず生活リズムや睡眠環境を整え、不眠の原因となっている身体症状やこころの不調がないかを確認することが大切です。一方で、不眠が続くことで日中の倦怠感、集中力低下、気分の落ち込み、仕事や家事への支障が強くなっている場合には、適切な方法で睡眠薬を使用することで、日常生活が楽になることがあります。

当院では、患者様の不眠のタイプ、年齢、持病、内服中の薬、日中の眠気やふらつきの有無などを丁寧に確認したうえで、必要に応じて睡眠薬の処方をご提案いたします。

睡眠薬にはいくつかの種類があります。

オレキシン受容体拮抗薬

・レンボレキサント(デエビゴ)
・スボレキサント(ベルソムラ)

覚醒を保つ働きに関係するオレキシンという物質の作用を抑えることで、眠りを助ける薬です。入眠困難だけでなく、中途覚醒が目立つ方にも用いられることがあります。

非ベンゾジアゼピン系睡眠薬

・ゾルピデム(マイスリー)
・エスゾピクロン(ルネスタ)
・ゾピクロン(アモバン)

主に寝つきが悪いタイプの不眠で使われることがあります。効果を実感しやすい一方で、眠気の持ち越し、ふらつき、記憶への影響などに注意が必要です。

ベンゾジアゼピン系睡眠薬・抗不安薬

・ブロチゾラム(レンドルミン)など

不眠や不安が強い場合に使用されることがあります。ただし、長期使用では依存、ふらつき、転倒、認知機能への影響などに注意が必要です。特に高齢の方では、薬の種類や量を慎重に判断する必要があります。

メラトニン受容体作動薬

・ラメルテオン(ロゼレム)

体内時計に関係するメラトニンの働きを利用して、睡眠リズムを整える薬です。生活リズムの乱れが関係する不眠で検討されることがあります。

その他の薬剤

・トラゾドン(レスリン、デジレルなど)

トラゾドンはSARI(セロトニン遮断再取り込み阻害薬)に分類される薬で、背景に気分の落ち込みや不安、睡眠の浅さがある場合などに、患者様の状態を確認しながら使用を検討することがあります。睡眠薬は「強い薬を飲めばよい」というものではありません。不眠のタイプ、日中の生活への影響、年齢、持病、転倒リスク、併用薬などを踏まえ、必要最小限の範囲で安全に使用することが大切です。また、症状が落ち着いてきた場合には、漫然と続けるのではなく、生活習慣の改善とあわせて、減量や中止のタイミングも相談しながら進めていきます。

睡眠薬だけに頼らない治療が大切です

慢性的な不眠では、薬だけでなく、睡眠に対する考え方や生活習慣を整えることが重要です。不眠が続くと、「今日も眠れないのではないか」と不安になり、布団に入ること自体が緊張につながることがあります。この状態が続くと、寝床が「眠る場所」ではなく「眠れずに悩む場所」になってしまいます。

そのため、

・眠くなってから寝床に入る
・眠れないまま長時間寝床で過ごさない
・朝はなるべく同じ時間に起きる
・日中はできる範囲で活動する
・昼寝は長くしすぎない
・夜のスマートフォンや明るい画面を控える
・夕方以降のカフェインを控える
・寝酒を避ける

といった工夫が大切です。

睡眠を「努力して勝ち取るもの」と考えすぎると、かえって眠れなくなることがあります。眠れない原因を整理し、無理のない方法で睡眠リズムを整えていくことが大切です。

ご自宅でできる睡眠習慣の見直し

不眠の改善には、日常生活の見直しも重要です。

・朝起きたら光を浴びる
・朝食をとる
・日中に軽い運動や散歩をする
・夕方以降のカフェインを控える
・寝る直前の食事や飲酒を避ける
・寝室の温度、湿度、音、光を整える
・寝る前のスマートフォン使用を控える
・ぬるめの入浴でリラックスする
・休日も起床時間を大きくずらさない

特に、睡眠時間だけでなく、「朝起きた時に休まった感じがあるか」「日中に眠気やだるさが少ないか」という睡眠の質も大切です。

受診をおすすめするサイン

以下のような場合は、医療機関への相談をおすすめします。

・眠れない状態が続いている
・日中の眠気や倦怠感が強い
・仕事や生活に支障が出ている
・夜中に何度も目が覚める
・早朝に目が覚めて眠れない
・いびきや無呼吸を指摘されたことがある
・頻尿、咳、かゆみ、痛みで眠れない
・気分の落ち込みや不安が強い
・市販薬や寝酒に頼ることが増えている
・睡眠薬を続けてよいか不安がある

また、強い抑うつ感、自分を傷つけたい気持ち、日常生活が保てないほどの不調がある場合には、早めに医療機関へご相談ください。

両国横綱クリニックでの不眠症診療

不眠症は、睡眠だけの問題ではなく、身体の病気、こころの状態、生活習慣、薬剤、年齢、仕事や家庭環境など、さまざまな要因が関係します。

両国横綱クリニックでは、総合診療科専門医が、不眠のタイプや生活背景を確認しながら、身体疾患やこころの不調、薬の影響、睡眠時無呼吸症候群などの可能性も含めて総合的に評価します。

必要に応じて、生活習慣の見直し、原因となる症状の治療、睡眠薬の選択、減薬の相談、専門医療機関との連携をご提案いたします。

「眠れないが、何科に相談すればよいか分からない」
「睡眠薬を飲むべきか迷っている」
「夜中に何度も起きてしまう」
「朝から疲れが取れない」

このような場合も、お気軽にご相談ください。


両国横綱クリニック|総合診療科専門医による診療

何科に行けばよいか分からない症状や、なんとなく不調が続く時も、お気軽にお越しください。
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院長 加納永将
総合診療科専門医(日本専門医機構認定)

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