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⭐インフルエンザ予防接種はなぜ毎年必要?両国横綱クリニック|内科・皮膚科・アレルギー科

[2026.08.07]

インフルエンザ予防接種はなぜ毎年必要?

まだ暑い日が続いています。週末からお盆休みが始まりますが、墨田区|両国横綱クリニックは、地域の皆様のためのクリニックとして、暦どおりに診療を行う予定です。

さて、秋から冬にかけて注意しなければならないインフルエンザ。予防接種を検討する時期となりました。当院では、「去年打ったのに今年も必要ですか?」「接種しても感染することがあるなら意味がないのでは?」「いつ打つのが一番よいですか?」という質問をお受けすることがあります。

ワクチンの効果、毎年接種する理由、接種時期、副反応、高齢者や基礎疾患のある方の注意点を両国横綱クリニックの総合診療科専門医の医院長がわかりやすく解説します。

インフルエンザワクチンは、インフルエンザの発症リスクを低下させるとともに、感染した場合の重症化や合併症、入院、死亡のリスクを減らすことが期待できます。特に、65歳以上の方、心臓・肺・腎臓などに持病のある方、糖尿病の方、妊娠中の方、乳幼児、そしてご家族に高齢者や基礎疾患のある方に、意義が大きいワクチンです。

また、仕事や子育てなどで忙しく、インフルエンザで何日も寝込むわけにはいかない、という方にとっても、予防接種は毎年の健康管理を考えるうえで大切な選択肢の一つです。

この記事では、インフルエンザワクチンの仕組み、なぜ毎年接種するのか、いつ接種するのがよいのか、副反応はどの程度なのかを、両国横綱クリニックの総合診療の視点から整理して解説します。

1.インフルエンザは「少し重い風邪」ではありません

インフルエンザは、インフルエンザウイルスによって起こる急性の呼吸器感染症です。一般的なかぜと比べ、突然の発熱、強い倦怠感、頭痛、筋肉痛、関節痛などの全身症状が目立ちやすく、咳や咽頭痛、鼻症状を伴います。

多くの健康な成人は数日から1週間程度で回復しますが、高齢者や乳幼児、妊娠中の方、心疾患・呼吸器疾患・糖尿病・腎疾患などの基礎疾患がある方では、肺炎、持病の悪化、脱水などをきっかけに重症化することがあります。つまり、インフルエンザ対策は「熱を出さないため」だけではなく、重症化を避けるための予防医療でもあります。

国立健康危機管理研究機構は、インフルエンザワクチンについて、感染や発症を完全には防げない一方、重症化や合併症を予防する効果が示されていると説明しています。高齢者では、接種しなかった場合と比べて死亡や入院の危険を減らすことが期待されています。

2.ワクチンは「免疫の予行演習」をする医療です

私たちの免疫には、一度出会った病原体の特徴を覚え、次に同じような病原体が入ってきたときに素早く反応する仕組みがあります。ワクチンは、この免疫の仕組みを利用して、実際にインフルエンザにかかる前に「敵の特徴」を免疫系に学習させるものです。

日本で広く用いられる注射の季節性インフルエンザワクチンは不活化ワクチンです。接種したワクチンそのものによってインフルエンザを発症するものではありません。接種後、免疫反応が整うまでには一般に約2週間かかるとされています。

大切なのは、「ワクチンを打った=絶対に感染しない」ではないことです。流行するウイルスとワクチン株の一致度、年齢、免疫状態、接種からの経過時間などにより効果は変動します。それでも、発症や重症化のリスクを下げることがワクチン接種の大きな目的です。

3.なぜインフルエンザワクチンは毎年接種するのか

理由は主に二つあります。第一に、インフルエンザウイルスは少しずつ姿を変えるためです。世界各地で流行しているウイルスは継続的に監視され、WHOは北半球と南半球それぞれの次シーズンに向けてワクチン株の推奨を更新しています。2026-2027年の北半球向けについても推奨株が示されています。

第二に、ワクチンによって得られた免疫は永続するわけではなく、時間の経過とともに低下します。昨シーズン接種したから今シーズンは不要、とは単純には言えません。その年に予想される流行株に合わせたワクチンを、流行前に改めて接種するという考え方が基本になります。

この点は、毎年のインフルエンザワクチンを「去年の効果がゼロになったから打ち直す」と考えるより、「今年流行する可能性のあるウイルスに備えて、免疫の情報を更新する」と理解するとわかりやすいでしょう。

4.接種のベストタイミングはいつ?

日本では例年、秋から冬にかけて流行が本格化します。ワクチン接種後に十分な免疫反応が得られるまで約2週間を要することを考えると、流行が大きくなる前に接種を済ませておくのが基本です。一般には9月から12月頃が接種を検討しやすい時期ですが、流行状況は年によって異なります。「12月を過ぎたからもう遅い」ということでもありません。流行が続いている時期であれば、接種による利益が期待できる場合があります。

一方で、8月の段階で全員が急いで接種する必要があるわけではありません。接種時期が早すぎると、シーズン後半に免疫が低下してくる可能性も考える必要があります。当院では、その年の流行状況、年齢、基礎疾患、受験・出張・旅行・学校行事なども含めて、患者さんごとに接種時期を考えることをおすすめしています。

5.特に接種をおすすめしたい方

WHOは、季節性インフルエンザワクチンの優先対象として、高齢者、妊娠中の方、慢性疾患を持つ方、医療従事者などを挙げています。日本でも65歳以上の方など一定の条件を満たす方は、予防接種法上の定期接種の対象です。

特に注意したいのは、心臓病、慢性呼吸器疾患、糖尿病、腎疾患などをお持ちの方です。インフルエンザ感染を契機として持病が悪化することがあるため、「インフルエンザそのもの」だけでなく、その後に起こる全身への影響まで考える必要があります。

また、健康な成人でも、仕事で多くの人と接する方、学校・保育施設・介護施設など集団生活に関わる方、家庭内に高齢者や乳幼児、基礎疾患のある方がいる場合には、自分自身のためだけでなく、周囲へ感染を広げる可能性を減らすという観点から接種を考える意味があります。

6.「集団免疫」はインフルエンザではどう考える?

ワクチンについて説明するとき、「集団免疫」という言葉が使われることがあります。これは、集団の中で免疫を持つ人が増えることで、感染の連鎖が起こりにくくなり、結果として免疫を持たない人も感染しにくくなるという考え方です。

ただし、インフルエンザではウイルスが変化し、ワクチンの有効性もシーズンごとに変動します。そのため、単純に「何%が接種すれば流行しない」と固定した数字で説明するのは適切ではありません。重要なのは、一人ひとりの接種が本人の重症化予防につながると同時に、家庭・職場・学校・地域での感染機会を減らす方向に働き得るということです。

特に、年齢や病気などの理由でワクチンの効果が十分に得られにくい方を守るためには、周囲の人の予防行動も重要です。ワクチンだけに頼るのではなく、換気、手洗い、咳エチケット、体調不良時に無理に出勤・登校しないことなどを組み合わせることが現実的な感染対策です。

7.副反応は?「安全性」と「ゼロリスク」は別です

インフルエンザワクチン接種後には、注射部位の赤み、腫れ、痛みなどがみられることがあります。また、発熱、頭痛、だるさなどの全身症状が出ることもありますが、多くは一過性です。

一方、ワクチンを含む医薬品に「副反応が絶対に起こらない」というものはありません。まれではありますが、重いアレルギー反応などが問題になることがあります。そのため、過去のワクチン接種で強いアレルギー反応を起こしたことがある方、接種当日に発熱している方、急性疾患で体調が悪い方などは、接種前に医師へ相談することが重要です。ワクチン接種の判断では、「副反応があるか、ないか」だけではなく、インフルエンザに感染した場合の本人のリスクと、接種によって得られる利益を比較して考えます。これが予防接種を医学的に判断するときの基本です。

一例として、インフルエンザワクチンについては「卵アレルギーがあると接種できない」と思っている方も少なくありません。しかし、アレルギーの程度や過去の症状によって判断は異なります。単に卵を食べると少し症状が出るという情報だけで、一律に接種不可と決めるものではありません。一方で、過去に重いアレルギー反応を経験した方では、ワクチンの種類や成分、これまでの接種歴を確認する必要があります。アレルギー歴がある方は、自己判断で接種を諦めたり、反対に無理に接種したりせず、事前に医師へご相談ください。

8.インフルエンザワクチンと他のワクチン

成人ではインフルエンザだけでなく、新型コロナ、肺炎球菌、帯状疱疹、RSウイルスなど、年齢や基礎疾患に応じて検討すべきワクチンがあります。予防接種を「その病気だけの問題」として一つずつ考えるより、年齢、持病、生活環境を踏まえて年間のワクチンプランを整理する方が合理的です。

総合診療では、患者さんの病気を臓器別に切り分けるだけでなく、生活背景や服薬、既往歴を含めて全体を見ます。ワクチンについても同様です。「自分には何が必要なのかわからない」という方は、普段の診療の際にご相談ください。

9.両国・墨田区でインフルエンザ予防接種をお考えの方へ

両国横綱クリニックでは、インフルエンザ予防接種をはじめ、各種ワクチン接種に対応しています。両国駅からアクセスしやすく、平日だけでなく土日祝日も診療しています。

当院が大切にしているのは、単に「注射をする」ことではありません。年齢、基礎疾患、アレルギー歴、過去の接種歴、現在の体調などを確認し、その方にとって接種のメリットがどこにあるのかをわかりやすく説明することです。

インフルエンザは毎年流行する身近な感染症だからこそ、正しい情報に基づいて備えることが重要です。予防接種について迷っている方、持病があり接種してよいか心配な方、ご家族のワクチンについて相談したい方は、どうぞお気軽に両国横綱クリニックへご相談ください。

よくある質問(FAQ)

Q1.ワクチンを打ってもインフルエンザにかかることはありますか?

あります。ワクチンは感染を完全に防ぐものではありません。ただし、発症や重症化、合併症のリスクを減らすことが重要な目的です。

Q2.去年接種したので、今年は打たなくてもよいですか?

基本的には毎年の接種が推奨されます。インフルエンザウイルスは変化し、ワクチンによる免疫も時間とともに低下するためです。

Q3.接種後すぐに効果が出ますか?

すぐではありません。一般に十分な免疫反応が得られるまで約2週間かかるとされています。

Q4.風邪気味でも接種できますか?

症状の程度や発熱の有無によって判断します。体調が悪い場合は、接種当日に医師へご相談ください。

Q5.65歳以上は特に接種した方がよいですか?

高齢者は重症化リスクが高く、ワクチンによる重症化・入院・死亡リスク低減の意義が大きいと考えられます。自治体の定期接種制度の対象となる場合もあります。

<参考情報>

国立健康危機管理研究機構(JIHS)「インフルエンザ(詳細版)」

世界保健機関(WHO)“How can I avoid getting the flu?”(2026年3月4日)

WHO Global Influenza Programme “Recommendations for influenza vaccine composition – 2026-2027 Northern hemisphere”

WHO “Vaccines against influenza: WHO position paper”(2022)

 

両国横綱クリニック

院長 加納永将

総合診療科専門医(日本専門医機構認定)


 

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