アレルギー性皮膚炎
アレルギーの語源はギリシャ語のallow(異なった、変わった)とergo(反応、作用)を組み合せで、オーストリアの小児科医が作った造語です。症状が従来の免疫反応とは異なり、彼が見つけた患者の状態が、通常の免疫系の働きではなく、それが変異したものであったことから、「異なる反応」を示す新しい言葉を作ったのですね。
免疫機能とは、体内に侵入した異物や病原体を体が認識しそれを排除する、体が自然に備えている防御機能のことです。免疫細胞(マクロファージやリンパ球)と呼ばれる兵隊のような存在が、異物を攻撃し排除して健康を維持する訳です。
金属(ニッケル、クロムなど)、植物(ウルシ、イチョウなど)、化粧品、医薬品、ゴムなどが直接の原因物質(=アレルゲン)になり得ます。ただし、火を起こす為には、熱、酸素、可燃物が必要な様に、アレルギー反応もアレルゲンと接触すれば必ず起きるというものではありません。遺伝的体質としてその人が持っている免疫機能が原因になったり、或いは疲れで体力が落ちている場合など体調も影響しますし、空気が乾燥して皮膚が敏感になっている場合など外的環境にもよります。これらが相まって、発症してしますことがあります。アトピー性皮膚炎などは、体質の影響が大きいと言われています。
当院の治療方針は、症状と個々人の体質を勘案しつつ、
①アレルゲン(原因物質)を特定し、それとの接触を避ける
②薬物療法(抗ヒスタミン薬、ステロイド外用薬など)
③スキンケア(保湿等)
④体調管理
の組み合わせで対応することとしています。皮膚炎は自己判断で薬を使ったり、治療を中断したりすると、かえって症状が悪化することがあります。しっかり医師と対話して根気強く治療を続けることをお勧めします。気になる方は、是非ご相談下さい。
ここまで読んで戴き有難うございます。
(両国横綱クリニック院長:総合診療専門医が院長の墨田区両国の内科、皮膚科、アレルギー科)
