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◆ インフルエンザ流行開始:その予防と対応について

[2025.10.08]

先週末に小池東京都知事がインフルエンザの流行シーズンに入ったと発表しました。昨年より1ヶ月以上早い流行の開始となります。東京都以外でも神奈川、埼玉、千葉、京都、大阪等、16の都道府県で流行開始の目安(定点医療機関あたりの患者数が1.0人)を超えており、全国で118の学校や保育所が閉鎖となっており、この数は昨年同時期の2倍以上となっています。今回は予防と対応について書きたいと思います。

インフルエンザの予防について

まず最初に予防について書きたいと思います。皆さんにとって罹患しないことが一番だからです。

  • 外出時のマスクの着用帰宅時は必ずうがいと手洗いをすること。インフルエンザは飛沫感染、接触感染で広がります。部屋に入ったら窓を定期的に開けて換気をすること、加湿すること。今年の流行が早まったのは夏の暑い期間が長く、クーラー使用期間も長くなったことから、締め切った部屋の中にいる期間が相対的に長くなったから、と考える医師もいます。
  • バランスを考えた食事や十分な睡眠や運動で生活リズムで免疫力を高めること

こうした基本的なことに気を付けるだけで、相当な予防効果となります。加えて、罹患した場合の悪化を防ぐ意味を含め、特に高齢の方、基礎疾患をお持ちの方、お子さんにとって大事なことが、ワクチン接種です。

両国横綱クリニックでは、ワクチン注射、フルミスト(2~18歳向けの点鼻薬)の2種類の接種が可能です。

インフルエンザの症状

インフルエンザの典型的な症状は以下となります。風邪との違いも参考に記します。

  • 急な高熱(38度以上) ⇔ 風邪は微熱で留まることが多い   
  • 咳や喉の痛み    ⇔ 風邪の典型的な症状ではないことが多い
  • 強い倦怠感、頭痛や関節の痛み ⇔ 風邪ではそれほど強い倦怠感は出ないことが多い
  • 特に子供は下痢、嘔吐、鼻水 ⇔ 風邪はくしゃみや鼻水

上記はあくまでも典型例ですが、少しでも気になる症状が現れた場合は、早めにお近くの医院を受診することをお勧めします。発症後、早く薬の服用を開始することがインフルエンザ治療の大前提となるからです。

潜伏期間は平均的に2日程度です。感染力はご本人が発症する前日から発症後一週間弱は強い感染力を持ちます。

検査と治療について

抗原検査は発症から半日から1日の内に検査することが推奨されています。48時間以内の服用を開始したいことから、検査を早めに行うことをお勧めします。治療薬は、タミフル、リレンザ、ゾフルーザ等があり、症状や体質等に合わせて処方を判断します。両国横綱クリニックではお子さんや妊娠中の方にはタミフルを第一選択としております。ゾフルーザは早い効果出現が期待できる有効な薬ですが、新しい薬なのでエビデンスの蓄積が相対的に少ないこと、高価であること、アレルギー体質の方への適用制約などが理由です。

関連する記事へのリンクをご参考まで貼っておきます。

風邪、インフルエンザ、コロナ

ここまで読んで戴き有難うございます。

(両国横綱クリニック院長:総合診療専門医が院長の墨田区両国の内科、皮膚科、アレルギー科)

 

 

 

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