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血圧の管理について

[2025.06.03]

標準血圧とは

心臓は血液を全身に送り出すポンプの役割を果たしています。心臓が収縮すると、血液を全身に送り出し、血管の壁に圧力をかけます。これが「上の血圧」です。心臓が拡張すると、血液が心臓に戻り、血管の壁にかかる圧力が低くなります。これが「下の血圧」です。まず、標準的な基準は以下となっています。家庭血圧は、ご自宅で測る場合は、外で測る場合と比べて低めに出るることから、その分を考慮して10mmHgだけ低くしています。

・140/90mmHg以上が高血圧(家庭血圧だと130/85mmHg以上)

・正常血圧は120/80mmHg未満(家庭血圧だと115/75mmHg未満)

SPRINT研究

ご高齢の方の血圧管理についての研究は沢山行われております。代表的なものとしてSPRINT研究、STEP研究等があります。SPRINT研究は米国で行われた研究で約1万人を対象に3年に亘って行われた大規模な研究でした。結果は2015に発表され、世界中で活用されているものです。研究を簡明にご説明しますと、本態性高血圧患者の方を2つのグループに分け、一つのグループには目標血圧150mmHg未満とする「標準的治療」を行い、もう一つのグループには目標血圧130mmHg未満とする「強化的治療」を行いました。そしてこの二つのグループでの心血管イベント、つまり脳卒中、急性冠症候群、心不全、心房細動、心血管死亡の発生数を比較評価したものでランダム化比較試験(RCT)と呼ばれます。

研究結果は極めて明確な差として現れ、血圧をしっかり下げる強化的治療を行ったグループでは、標準的治療のグループより26%も心血管イベントリスクが下がりました。

基本的に血圧は十分に下げる方が良いのです。勿論、下げ過ぎてめまい等の副作用が強く出る場合は、コントロールが必要となりますが、大きな副作用が出ない限り、やはり積極的に血圧は下げる方が良く、特に高齢な方については明確に言えます。高齢になると血管が硬くなってくることもあり、血圧は何方でも高めになります。

・75歳未満の方について、130/80mmHg未満が目標(日本の高血圧治療ガイドライン2019)

とされています。

一人ひとりの目標血圧管理

最終的な目的は、心臓や脳の病気の予防になります。血圧を適切にコントロールすることで、その目的はかなり達成することができます。当クリニックでは、患者さん事に目標を共有しながら診療しています。もちろん、患者さんごとに細やかに目標血圧を設定しながらやっています。ご相談の上で目標血圧を設定し、将来の脳卒中・心臓病を予防しましょう。

ここまで読んで戴き有難うございます。

(両国横綱クリニック院長:総合診療専門医が院長の墨田区両国の内科、皮膚科、アレルギー科)

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