水虫・爪白癬
水虫と思いクリニックを受診される方の半数以上は水虫ではなく、湿疹等の別の病気だったというデータもあります。間違った治療や薬を使用すると悪化させてしまう危険があります。
最初に診断を行い、病気に応じた正しい治療を行うことをお勧めします。ご自分で判断しドラッグストアで薬をお求めになる前に当院にご相談ください。処方箋が必要な新しい塗り薬も処方しています。
概要
白癬菌(はくせんきん)が足の指や裏など皮膚の角質や皮下組織を侵食する事によって炎症などが起きる感染症です。一般には水虫という通称で呼ばれています足の指と指の間や爪にできることが多いですが、体のほぼどの部位でも感染する可能性はございます。足白癬は人口の20%前後、爪白癬は10%前後が生涯に一度は感染すると推計されております。
通気性の悪い靴を長時間履いている方など白癬菌が繁殖しやすい環境にある方が感染しやすくなります。痒みを伴うことが多いですが、足裏全体が角化するような角化型という水虫であれば痒みはほとんどみられません。
治療
視診で分かる場合も多いですが、確定検査として水虫が疑われる皮膚や爪などの一部をピンセットなどで採取し、顕微鏡にて白癬菌を確認することができます。短時間で結果が分かりますが、提携している検査会社に検査を依頼することもあります。治療は塗り薬の抗真菌薬が中心となります。原則1日1回でよいとされております。水虫のタイプによって治療期間が大きく変わりますが、概ね2カ月以上は必要となります。蒸れないようにすること、角化型は摩擦を起こすような刺激を減らす工夫が大切です。症状がよくなった後もしばらく薬を使い続けることで再発を減らすことができます。
爪の水虫は飲み薬が必要になるケースがございます。
参考文献:日本皮膚科学会皮膚真菌症診療ガイドライン2019
日常の注意
水虫の人が素足で使用したバスマットやカーペット、スリッパなどからほかの人に移ることがあります。菌が皮膚についてもすぐに水虫になるわけではありませんが、白癬菌がある程度繁殖すると症状が出現します。体や足の指の間をしっかり洗い乾燥させること、バスマットやスリッパなどの共用を避けること、通気性のよい靴を選ぶことなどで予防できます。