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風邪(かぜ)/インフルエンザ/コロナウイルス感染症

風邪の原因は9割前後がウイルス感染です。その種類は多岐にわたります。代表的なものはライノウイルス、RSウイルス、アデノウィルスなどです。ウイルス感染の中でも特につらい症状を起こすものとしてインフルエンザウイルス、コロナウイルスが有名で、この2つは風邪とは別に扱うことが一般的です。インフルエンザやコロナウイルスは抗ウイルス薬が存在しますが、それ以外の多くのウイルスに対しては特効薬はないため対症療法が治療の中心となります。

【症状の違い】

風邪、インフルエンザ、新型コロナウイルス感染症は、いずれも発熱や咳、のどの痛みなどを伴うウイルス性の感染症ですが、それぞれに特徴的な症状や経過の違いがあります。以下に主な症状の特徴と違いをまとめます。

1. 風邪(かぜ症候群)

主に「ライノウイルス」や「コロナウイルス(※旧型)」などのウイルスが原因で、上気道(鼻やのど)に限局した軽い炎症を起こします。

  • 発症:ゆっくりと始まる(徐々にのどが痛くなる、鼻水が出るなど)

  • のどの痛み:初期からよく見られる

  • 咳や鼻水:比較的多く、粘り気のない鼻水

  • 発熱:出ないか、出ても微熱(37~38℃未満)

  • 倦怠感・筋肉痛:軽度

  • 味覚・嗅覚障害:通常なし

  • 重症化:まれ

特徴: 症状は軽く、数日~1週間程度で自然に回復することが多いです。

2. インフルエンザ

インフルエンザウイルス(A型・B型)が原因で、全身に強い症状が出ることが特徴的です。例年、冬に流行します。

  • 発症:突然始まる(「朝は元気だったが昼に急に高熱」など)

  • 発熱:高熱(38~40℃)が急激に出る

  • 倦怠感:強い

  • 頭痛・筋肉痛・関節痛:頻繁に見られる

  • 咳・のどの痛み:後から出てくることが多い

  • 鼻水:風邪よりは少ないことが多い

  • 味覚・嗅覚障害:まれ

  • 重症化:高齢者や基礎疾患のある方は肺炎・脳症に注意

特徴: とにかく「急に強くなる全身症状」がポイントです。

3. 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)

新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)が原因。発症パターンが多様で、軽症から重症まで幅広い経過を取ります。

  • 発熱:37~38℃台が多いが、高熱になることもあり

  • 咳・のどの痛み:よく見られる(乾いた咳が多い)

  • 倦怠感:中等度~強いことがある

  • 鼻水・鼻づまり:風邪よりもやや少ない

  • 味覚・嗅覚障害:とくに初期の株では顕著。無症状でも出ることがある

  • 呼吸困難:中等症以上では注意

  • 下痢や吐き気:一部の方に見られる

  • 無症状感染:若年者を中心に一定数あり

特徴: 「症状のバリエーションが多く、特に嗅覚・味覚の異常」は他の感染症には少ない特徴です。

【3つの違いのポイント比較表】

症状・所見 風邪 インフルエンザ 新型コロナ
発症の仕方 徐々に 急激に 徐々にまたは急激に
発熱 微熱またはなし 38℃以上の高熱 微熱~高熱(個人差大)
倦怠感 軽度 強い 中等度~強い
筋肉痛・関節痛 少ない 明らかにある あっても軽度なことが多い
咳・のどの痛み 初期からあり 少し遅れて出現 初期からあり
鼻水・鼻づまり よくある あまり目立たない あまり多くはないことが多い
味覚・嗅覚の異常 なし まれ 特徴的(無症状でも起こる)
消化器症状(下痢など) まれ まれ 一部で見られる
重症化のリスク 基本的に低い 一部であり(高齢者など) 一定数であり(高齢・持病のある方)

【診断】

当クリニックでは、患者様の症状や経過、周囲の流行状況を踏まえて、以下のような検査を組み合わせて診断を行います。

  • インフルエンザ迅速抗原検査(発症後12時間以上で陽性率が高まります)

  • 新型コロナウイルス抗原検査・PCR検査(必要に応じて)

  • 一般的な風邪の診断は、問診と診察所見を中心に行います。

症状が似ているため、流行状況や検査結果を総合的に判断することが重要です。

【当クリニックの治療方針】

  • 風邪:ウイルス性であるため抗生物質は基本的に使用しません。症状を和らげる対症療法(解熱鎮痛薬、咳止め、去痰薬など)を行い、十分な休養と水分補給を勧めます。

  • インフルエンザ:発症から48時間以内であれば抗インフルエンザ薬(タミフル、ゾフルーザなど)の投与を検討します。症状に応じた対症療法も行います。

  • 新型コロナウイルス感染症:軽症の場合は自宅療養を基本とし、症状に応じた内服薬(解熱薬、鎮咳薬など)を処方します。リスクの高い方や重症化が懸念される方には、経口抗ウイルス薬の投与も検討します。必要に応じて保健所や専門医療機関と連携します。

当院では、患者様の症状やご不安に丁寧に向き合い、適切な検査と治療を心がけています。風邪かどうか迷ったとき、インフルエンザやコロナが心配なときは、どうぞお気軽にご相談ください。

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