乾燥肌の改善(秋から冬に注意する皮膚のトラブル)

秋の肌トラブルにご用心!乾燥肌と脂漏性皮膚炎の対策ガイド
この時期、「急に肌の調子が悪くなった」と感じる方が増えます。実際、医療機関の調査やアンケートでは、多くの方が秋から冬にかけて肌の症状が悪化することがわかっています。特に、大人の肌トラブルの第一位は「乾燥」。肌のバリア機能が乱れやすい、まさに注意が必要な季節なのです。
今回は、多くの方が悩む「乾燥肌」と、繰り返しやすい「脂漏性皮膚炎」について、その原因と日常でできるケアのポイントを解説します。
1. なぜ秋になると肌は乾燥するの?
秋が深まり、冬に向かうにつれて、気温が低下し、同時に空気が乾燥します。
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皮脂・汗の減少: 寒くなると、肌を守るための皮脂や汗の分泌量も自然と減ります。
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水分の蒸発: 乾燥した外気に水分が奪われやすくなります。
この環境変化は誰の肌にも影響しますが、特に年齢を重ねた肌は、もともと肌の保湿成分や皮脂が少なくなっているため、より強く乾燥を感じやすくなります。
2. 乾燥を放置すると危険!「乾燥性皮膚炎」とは
「少しカサついているだけ」と乾燥を放っておくと、肌のバリア機能が低下してしまいます。バリアが弱くなると、肌は外部からの刺激に非常に敏感になります。その結果、かゆみを感じやすくなり、つい掻いてしまうことで、赤いブツブツとした湿疹、すなわち乾燥性皮膚炎へと悪化するケースが少なくありません。「カサつき」と「かゆみ」のサインを見逃さず、悪化する前に早めのケアを始めることが、皮膚炎への進行を防ぐ鍵です。
3. 皮脂と炎症の悪循環「脂漏性皮膚炎」を知る
どんな病気?
脂漏性皮膚炎(しろうせいひふえん)は、皮脂の分泌が多い場所(頭皮の生え際、鼻の周り、耳の裏など)に、赤みとフケのような白いカス(落屑)を伴う炎症です。かゆみを伴うこともあり、治っても再発を繰り返しやすいのが特徴です。乳幼児から高齢者まで幅広く見られ、大人の場合は慢性化しやすい傾向があります。
脂漏性皮膚炎は季節の変わり目に症状が悪化しやすいことが知られていますが、特に空気が乾燥する時期に患者さんが増える傾向があります。「乾燥なのに、なぜ皮脂が多い病気が悪化するの?」と不思議に思うかもしれません。これは、肌が乾燥すると、体は「潤いを補おう」として皮脂を過剰に分泌してしまうことがあるためです。この増えた皮脂を栄養源として、皮膚に常在するカビの一種(マラセチア菌)が増殖し、炎症を引き起こしてしまうのです。季節的な要因に加え、ストレスや睡眠不足といった生活習慣の乱れも、症状悪化の大きな誘因となります。
4. 今日からできる!肌トラブルを防ぐ日常ケア
肌トラブルを予防し、悪化を防ぐために、日々の生活で以下のポイントを実践しましょう。
① 保湿の徹底
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基本は保湿: 乾燥肌対策の最も重要な柱です。
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スピード保湿: 入浴後や洗顔後は、水分が蒸発する前にできるだけ早く保湿剤(ローションやクリームなど)を塗り、肌の潤いを閉じ込めます。
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重ね塗り: 特に乾燥しやすい部分は、朝晩ていねいに重ねて保湿しましょう。
② 正しい「洗い方」の習慣
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優しい洗浄: 低刺激性の洗浄剤を選びましょう。
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擦らない: 洗顔や洗髪の際、ゴシゴシと強く擦るのは厳禁です。ナイロンタオルではなく、手や柔らかいタオルで、泡を使って優しくなでるように洗ってください。
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洗いすぎ注意: 洗顔は1日1〜2回、洗髪も1日1回を目安とし、洗いすぎによる皮脂の奪いすぎを防ぎましょう。
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お湯の温度: 熱いお湯や長時間の入浴は皮脂を取りすぎるため、控えめにしましょう。
③ 生活環境とリズムの整備
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室内の湿度管理: エアコンなどによる空気の乾燥対策は必須です。加湿器を使用したり、濡れタオルを室内に干すなどして、室内の湿度を50〜60%程度に保ちましょう。
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規則正しい生活: 睡眠不足や偏った食事は肌の代謝を乱す原因になります。バランスの良い食事と規則正しい生活リズムを心がけ、体の内側から皮膚の健康をサポートしましょう。
最後に:医療機関への相談をためらわないで
ご自身での日々のケアを続けても、「かゆみが強く日常生活に支障が出ている」「赤みやフケが改善しない」といった場合は、我慢せずに当院にご相談ください。
症状に応じて、保湿剤や抗炎症薬(ステロイドなど)の外用薬を使った適切な治療を行うことで、症状の早期改善が期待できます。重症の場合や診断が難しい場合は、専門的な医療機関へのご紹介も可能です。気になる症状があれば、いつでもお気軽にご相談ください。
