睡眠時無呼吸症候群(いびき)
以下について、ご家族の方や周りの方から指摘を受けたこと、或いは自己診断として気になることはありませんか。
- いびきがひどい、呼吸をしていない事(無呼吸/低呼吸状態)がある
- 夜中に何度も目が覚める
- 十分な睡眠時間をとっているのに疲れが取れない
- 日中、強い眠気が出る
- 朝起きると頭が痛い
- 集中力が落ちた
- 気分が憂鬱気味になった
睡眠時無呼吸症候群の症状が出ている可能性があります。日本呼吸器学会によると睡眠時無呼吸症候群の有病率は日本の成人男性の3~7%、成人女性の2~5%であり、患者数は500万人以上とするデータもあります。
無呼吸症候群は睡眠中に何度も呼吸が止まる病気です。医学的には、10秒以上息が止まる状態を無呼吸といい、平均して1時間に5回以上、睡眠中に無呼吸が見られる場合はこの疾患と診断されます。上記の様な日中の眠気やからだの怠さと言った症状を引き起こし、社会生活に影響を及ぼす他、血液中の酸素が欠乏することによって心臓、脳、血管に負担がかかり、脳卒中、狭心症、心筋梗塞などの重篤な合併症を来たす危険が高まります。そのほか糖尿病、高血圧症などさまざまな持病への悪影響も報告されています。一方、この病気は適切な治療によって劇的に改善することが期待できる病気でもあります。当院では症状をよく聞かせていただいた上で、適切な診断と治療方法をご提案いたします。
診断
簡易検査(アプノモニター)と脳波を含めた精密検査(ポリソムノグラフィー;PSG)の2種類があります.費用は前者は約3000円、後者は1万円程度です。どちらもご自宅で検査が可能なため、病院で行われる入院検査に比べると少ない費用負担で検査ができます。保険適用の診療も可能ですが、精密検査は手順を踏んで行う必要があり、患者さんの症状を適切に判断し、検査を進めて参ります。
当院の治療方針
経鼻的気道持続陽圧療法(CPAP療法)という治療をご案内致します。これは鼻にマスクをつけ、機械で圧力をかけて空気を送り込む治療法です。この圧力によって肺への空気の流れがよくなり、呼吸が止まることがなくなります。様々な機械やマスクがございますので、詳細は検査が陽性となり治療適応の方にご説明いたします。ご参考まで診療のフローチャートを添付します。
参考文献:睡眠時無呼吸症候群の診療ガイドライン2020、『Sleep Debt Elicits Negative Emotional Reaction through Diminished Amygdala-Anterior Cingulate Functional Connectivity』PLOS ONE