花粉症

わが国では国民の2人に1人が何らかのアレルギー疾患を持っていると言われています。その中でも代表的なアレルギー疾患が花粉症になります。植物の花粉が鼻や目などの粘膜に接触することによって引き起こされます。2016年に東京都が実施した調査では都内のスギ花粉症の推定有病率は48%とされております。
症状
くしゃみ、鼻づまり、鼻水が3大症状と呼ばれておりますが、目のかゆみや充血や肌荒れなどの症状も多いです。
当院の治療方針
治療には症状を抑えることが目的の対症治療と、花粉症そのものの治癒を目指す根治治療があります。また、症状が出る前から予防的に薬を服用することを行う初期治療もあります。
症状がひどくなると炎症を抑えるのが難しくなる傾向があるので、できるだけ早期にご相談ください。
以下の3つのアプローチが大切です。
- 花粉への接触を減らすためのセルフケア
メガネ、マスク、家に入る前に衣類を叩いて花粉を落とす、空気清浄機を利用するなどのセルフケアが大切です。
- 舌下免疫療法
詳しくは舌下免疫療法というコラムをご参照ください。
- 抗ヒスタミン薬などの飲み薬の治療
ご参考までに以下のQ&Aに詳細を記します。
Q&A
・市販薬でもよいか?
市販薬で症状が和らぐと感じる場合は問題ございません。ただどんな病気も最初から医師に相談して処方してもらうほうが早くラクになると思います。クリニックで処方される薬は多くの場合は市販薬の上位互換になります。またクリニックに受診される場合は保険適応になりますので自己負担額が変わるかと思います。
・処方薬にはどのようなものがあるか?
代表的な薬は抗ヒスタミン薬となります。1日1回のビラノアやザイザルなどが処方されることが多いです。ビラノアは眠気の副作用が少ないので問題になることは多くありませんが、絶対に眠気の副作用が出てはならないという方はデザレックスという薬もよろしいかと思います。他にもノドや目の違和感が中心の症状の方にはルパフィンという薬もよろしいかと思います。抗ヒスタミン薬をすでに使っている方で症状が収まらない場合はモンテルカストなどのロイコトリエン受容体拮抗薬を併用することもあります。
その他にも目薬や点鼻薬も併用することで症状をさらに改善させることが期待できます。
・注射はありませんか?
ヒスタグロビン/ノイロトロピンの皮下注射が候補として挙げられます。週に1~2回の注射を行います。6回の投与を1サイクルとして、効果が不足する場合はほかの治療も検討致します。大半の方は問題なく投与することができますが、ヒスタグロビンは血液由来成分のためごく一部の血液内科疾患や重度の喘息発作を起こしている方、妊娠中の方は控えたほうがよいです。
その他にはゾレアという生物学的製剤の治療もご用意しております。しかしこれはお値段も高額になりますし、安易に治療するべき注射ではございません。薬を合計で4種類以上使ってもなお、ひどい症状でお悩みの最重症型の花粉症の方のみに適応となります。詳細はクリニックでご説明させていただきます。
・花粉が飛び出してからでは遅いですか?
症状が出てから遅すぎるということはありません。ただ当然ながら、早くから治療するに越したことはございません。予防的に早くからお薬を飲み始めていただくことも問題ございません。
・薬を飲みすぎると耐性化して効かなくなるということはありますか?
体が薬に慣れるということはありません。毎年同じ飲み薬を飲み続けていただいても問題ございません。
・よく聞く症状以外の症状はありますか?
バラ科の植物、イチゴや桃への反応です。他にも豆乳やアーモンドにも反応して口の中がヒリヒリしたりします。これを口腔内アレルギー症候群とよびます。PR-10というタンパク質が関係しております。花粉と桃や豆乳などのPR-10の構造が似ていることから大量に摂取してしまうと交差反応でアレルギー症状が起きてしまうのです。そのため花粉が飛んでいる時期はイチゴや桃や豆乳などは少し控えていただく方がよいかもしれません。
参考文献:鼻アレルギー診療ガイドライン2024版、厚生労働省HP
