墨田区両国駅前の皮膚科医が解説/掌蹠膿疱症の最新治療
「手のひらや足の裏に水ぶくれのような膿疱が繰り返しできて、皮がむけて痛い」「痒みが強く、日常生活にも支障が出る」。掌蹠膿疱症は、見た目の症状だけでなく、痛みやかゆみで日々の生活がつらくなることも多い病気です。人に移るものではないと分かっていても、見た目が気になり、人前で手を出しにくいと悩む方も少なくありません。
典型的な症状
掌蹠膿疱症(しょうせきのうほうしょう)は、手のひら・足の裏に膿を持った小さな水疱が繰り返しでき、赤みや皮むけを伴う慢性の皮膚疾患です。原因は完全には解明されていませんが、喫煙、金属アレルギー、扁桃腺炎や歯周病などの慢性感染症が関与することが知られています。さらに、近年の研究で免疫異常が背景にあることが分かってきており、「自分の免疫が過剰に反応することで皮膚に炎症が起きている状態」と捉えられています。
当院での治療について
当院では患者さんの状況をしっかり診察します。生活習慣を変えるだけで改善に向かう場合もあります。治療としてはビタミンの処方や外用療法(ステロイド外用、活性型ビタミンD3外用)で皮膚の炎症とバリア機能の改善を図ります。それでも改善が不十分な場合は、最新の医学研究成果に基づき、生物学的製剤(生物学的製剤である抗IL-17抗体、抗IL-23抗体など)の適応を検討します。これらは皮膚の炎症に深く関わるサイトカインを抑制し、従来の治療で改善しにくかった重症の掌蹠膿疱症でも高い効果が期待できる治療法です。但し、費用が少しかかります。
また、当院では慢性感染症のチェック(歯周病や扁桃炎の評価)や、必要に応じて喫煙指導、金属アレルギーのパッチテストも行い、トリガーの除去を同時に進めることが可能です。掌蹠膿疱症は再発を繰り返す病気ですが、適切な治療と生活管理で症状のコントロールが可能ですので、一人で悩まずにご相談ください。
掌蹠膿疱症は「手足の見た目だけの問題」ではなく、痛みや痒みによる生活の質の低下を引き起こす疾患です。当院では最新の治療選択肢と生活面のサポートを組み合わせ、患者様一人ひとりに合わせた治療計画を提案しています。掌蹠膿疱症にお悩みの方は、ぜひ当院へお気軽にご相談ください。
ここまで読んで戴き有難うございます。
(両国横綱クリニック院長:総合診療専門医が院長の墨田区両国の内科、皮膚科、アレルギー科)