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◆ 夏の皮膚トラブルを防ぐために:汗、紫外線、虫刺され対策を

[2025.07.19]
土用の丑の日は夏バテ防止のために鰻を食べる習慣で知られています。今年はこのブログを書いている日(7月19日)と7月31日が土用の丑の日です。この日が年で一番暑いので、鰻を食べて体力をつける、という説もあるようですが、江戸時代に平賀源内が、夏に売れない鰻屋のために「本日、土用の丑の日」と看板を出すことを提案したのがきっかけという説が有力だそうです。鰻はビタミンやミネラルが豊富で、夏バテ防止に効果があるとされるため、この風習が定着したと考えられています。デパートの食品売り場には美味しそうな鰻が並んでいますね。

さて、暑さが本格化してくると、私たちの体は体温を下げるために自然と汗をかくようになります。しかし、その汗や紫外線、虫刺されによって、夏は皮膚トラブルが増える季節でもあります。今日は「汗」「紫外線」「虫刺され」による代表的な夏の皮膚トラブルと、予防や対処のポイントについてご紹介します。夏を健康に過ごすための参考になれば幸いです。

汗が引き起こす肌トラブル

汗は体温調節に必要な生理反応ですが、肌に長時間残ることで刺激となり、皮膚炎を引き起こすことがあります。代表的なものに「あせも(汗疹)」がありますが、それだけではありません。肌がこすれやすい首元や肘の内側、ベルトの当たるお腹周りなどに、赤みやかゆみを伴う「汗によるかぶれ(接触性皮膚炎)」が起きることも多いのです。

また、汗をかきやすい方だけでなく、高齢の方も注意が必要です。加齢による皮膚の乾燥や薄さ、発汗量の低下などが重なると、小さな刺激でかゆみや炎症が起きやすくなります。

対策としては、

①汗をかいたらそのままにせず、こまめに優しく拭き取ることが大切です。

②ゴシゴシ拭くのではなく、清潔なタオルや濡らしたガーゼで軽く押さえるように拭き取ることが肌への負担を減らします。

③可能であればシャワーで汗を流し、着替えをするのも予防に有効です。

虫刺されと水ぶくれの皮膚トラブル

夏は蚊やダニ、ブユなどの虫による皮膚トラブルも増えます。虫刺されは赤く腫れてかゆみが強くなることがありますが、虫の種類によっては水ぶくれができることもあり、掻き壊すと細菌感染を引き起こすリスクがあります。

①手のひらや足の裏に小さな水ぶくれができ、かゆみを伴う「汗疱(かんぽう)」が出る方もいます。水虫と見分けがつきにくいため、市販の水虫薬を使う前に皮膚科での診断を受けることをおすすめします。

②虫刺されを予防するには、外出時は肌の露出を減らし、虫よけスプレーを活用することが大切です。刺されてしまった場合、強く掻かずに冷やすことでかゆみを和らげ、症状が強い場合は早めに受診しましょう。

エアコンと紫外線が引き起こす乾燥

夏は汗でベタつく感覚があるため「肌が潤っている」と勘違いしやすいですが、実際にはエアコンの冷風や紫外線によるダメージで皮膚は乾燥しています。また、肌表面は湿っていても内部は乾いている「インナードライ肌」の方も多く、乾燥によるかゆみや炎症が起こりやすくなります。

①夏こそ保湿ケアが重要です。入浴やシャワー後にはなるべく早めに保湿剤を塗ること、石けんで洗う際はゴシゴシこすらず泡で優しく洗うことを心がけましょう。過剰な洗浄は皮脂を取りすぎてしまい、乾燥やバリア機能の低下を招く原因となります。

まとめ:早めの対策と相談で健やかな夏の肌を

夏の皮膚トラブルは、汗、紫外線、虫刺されなど身近なことが原因となり、誰にでも起こりうるものです。しかし、日頃の対策で予防できるものも多く、もし症状が出てしまっても早期に適切な治療を行うことで悪化を防ぐことができます。

当クリニックでは、患者様の肌の状態に合わせて塗り薬や保湿剤を選び、正しい塗り方やスキンケア方法についても丁寧にお伝えしています。夏の皮膚トラブルでお困りの際は、お気軽にご相談ください。

今年の夏も皆様が元気に過ごせるよう、スタッフ一同サポートいたします。

ここまで読んで戴き有難うございます。

(両国横綱クリニック院長:総合診療専門医が院長の墨田区両国の内科、皮膚科、アレルギー科)

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