◆ 膿痂疹(とびひ)について
膿痂疹(とびひ)は、細菌の感染による皮膚疾患です。
症状としては、水疱やただれなどが現れるもので、正式名称は「伝染性膿痂疹(とびひ)」とよばれます。
とびひとは「飛び火」の事ですが、手で水ぶくれやただれを掻いてしまい、その細菌が全身移っていく様が火が隣の家に飛んでいく様子に似ていることからこうした名前が付けられました。
とびひは他人にうつります
ご注意いただきたいことは、とびひは、ご自身だけでなく、他人にもうつる可能性がある事です。患部から出る液体や、かきむしった手などを介して直接的に、或いはタオルなど使い回す事で間接的に他人に感染することがあります。
もし、とびひが発症した場合は、早期の治療開始とご家庭での感染予防措置が大切になります。
発症が多いのは初夏から真夏
黄色ブドウ球菌と溶血性連鎖球菌は、健康な人の皮膚や鼻の中に常在している細菌ですが、皮膚の表面の傷や湿疹がから感染し発症します。高温多湿の時期の発症が多くなります。
水疱性膿痂疹
黄色ブドウ球菌が原因となるこのタイプが比較的お子さんに多く発症するものです。最初に赤みやかゆみを伴う小さな水疱ができて、それが破れて爛れ(ただれ)になります。
痂皮性膿痂疹
溶血性連鎖球菌が原因となるのがこちらとなります。年齢や季節に関係なく発症するタイプとなります。やはり最初は赤みやかゆみを伴う発疹ができて、それが破れて爛れ(ただれ)になり、厚くて黄色っぽい色のかさぶたが出来ます。熱が出たり、リンパ節が腫れたりすることもあります。
当院での治療方法
初期には外用薬を用いますが、症状が進んでいる場合は内服薬で治療します。抗菌薬入りの軟膏を使うことで水泡の発生や拡大を抑えること出来ます。痒みが出ている方にはステロイドの軟膏を併用する場合もあります。内服薬は一週間ほど抗菌薬を飲んでいただくことで多くの場合症状は改善します。痒み止めとして抗ヒスタミン薬を使用します。
初期段階で当院に来ていただき、適切な治療を開始することで、症状が重くなることを防ぐことが出来ます。
ここまで読んで戴き有難うございます。
(両国横綱クリニック院長:総合診療専門医が院長の墨田区両国の内科、皮膚科、アレルギー科)