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墨田区両国駅前の内科医が解説/夏バテとその対処について

[2025.07.06]

今週はとても暑い日が続きました。来週一杯もこの暑さは続きそうです。是非体調管理にはお気をつけください。この季節、「何となく体がだるくてやる気が出ない」「食欲がなくて冷たいものばかり取ってしまう」といった体調不良で悩む方がどうしても増えます。「夏バテかもしれない」と来られる方を多く診ておりますが、中には対処が適切ではなかったことから、回復が遅れ、体調不良が長引いた方も少なからずおられました。今回は夏バテの原因・症状・対処法と医療機関での治療についてご紹介します。

夏バテの原因と症状

夏バテは高温多湿による「体温調節の負担」や「脱水」、冷たい飲食物の摂取による「胃腸機能低下」、或いは「冷房環境での自律神経の乱れ」等が重なることでおきます。この一週間の様に外気温が35度で、クーラーの良く効いた部屋が27度くらいとすると10度近くも温度差があり、部屋の外と内の出入りを繰り返すだけでも、体の温度調整が追い付かなくなり、自律神経の乱れに繋がってしまう事もあります。

主な症状としては、

だるさ、疲労感

食欲低下、胃もたれ

軽いめまいや立ちくらみ

微熱、寝汗、睡眠の質低下

便秘・下痢の繰り返し

が挙げられます。高齢者では脱水が目立ちにくく、軽度の認知症悪化のような症状で発見されることもあります。

自分でできる対応

夏バテを軽度に抑える事がまず大事です。以下を意識しましょう。

✅ 水分・塩分補給
水だけでは電解質不足となるため、経口補水液や味噌汁、梅干しなどで塩分も補うことが大切です。

✅ 冷たいものを取りすぎない
胃腸の動きが悪くなり、さらに食欲低下を招きます。温かいお茶や消化の良い食事(うどん、雑炊など)を意識してください。

✅ 睡眠・休息を取る
冷房は28度程度で使い、冷えすぎを防ぎながら睡眠を確保します。

✅ 軽い運動・入浴で血流を改善
シャワーだけでなくぬるめのお湯に浸かることで血流が改善し、自律神経の調整にもつながります。

医師に相談すべきタイミング

以下の場合は自己対応でなく医療機関を受診しましょう。

水分が取れず尿量が減っている

微熱が続き体重が急減している

倦怠感が強く動けない

吐き気や下痢が長引く

高齢者・基礎疾患(糖尿病・心不全・腎疾患など)がある

これらは熱中症や低ナトリウム血症、感染症、脱水悪化が隠れている可能性があります。

当院での治療

当院では診察・検査により脱水の有無や感染症の合併、腎機能の評価を行い、必要に応じて点滴治療(電解質補正を含む)を行います。

最近では軽度脱水時に経口補水療法を継続的に指導し、自宅での回復を早める取り組みをしています。食欲不振が続く場合はビタミン補給を含めた点滴治療で早期回復を目指すこともあります。夏バテは単なる「だるさ」で片付けず、適切な水分・栄養・休息で改善を図ることが大切です。無理をすると回復が長引き、熱中症や脱水のリスクもあります。「これは夏バテかな?」と思ったら、我慢せずお気軽に当院へご相談ください。暑い夏を元気に乗り切るためにも、早めのケアを一緒にしていきましょう。

ここまで読んで戴き有難うございます。

(両国横綱クリニック院長:総合診療専門医が院長の墨田区両国の内科、皮膚科、アレルギー科)

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