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◆ 肋軟骨炎 ー 指で押すと痛む場所が特定出来る場合

[2025.07.22]

今日は肋軟骨炎についてご紹介します。胸部に痛みを感じる症状には多くの原因が考えられます。心筋梗塞の様な重篤で治療の緊急性が極めて高いものから、自然治癒を待つものまで様々です。判断において重要な情報は、先ず痛みを感じる場所、強さ、持続時間等ですが、基礎疾患の有無、過去の血液検査の結果、そしてご自身や親族の病歴等も大事な観点となります。

胸痛においては、先ず重症疾患の可能性を疑い、それを除外する為の検査と判断が大前提となりますが、肋軟骨炎は非心臓性胸痛としては比較的良くある病気です。日本には統計データはあまりなく、海外の医療の研究によると、中年から高年齢層の発症が多く、男女比では女性が男性の倍となっています。

症状

痛みの特徴としては、胸部の特定の場所に痛みを感じることです。胸の中央付近、胸骨と肋軟骨との間などに発生し、深呼吸や上半身をひねるような動き、くしゃみやせきなどでも痛みます。左右のどちらか片側の複数箇所で発生することがよくあります。肋軟骨炎の特徴の一つは、痛みを感じる場所が特定することが出来ること、指で押すと痛みを感じることなので、問診の際に肋軟骨の結合部を押して見て、患者さんが痛みを感じる場合は肋軟骨炎を疑います。その後、血液検査やMRI等で診断を進めます。

原因

肋軟骨とは、胸骨と肋骨の結合部分にある軟骨です。第1肋骨から第7肋骨は肋軟骨と胸骨とがつながっていて、第8肋骨から第10肋骨はすぐ上の肋軟骨と肋骨がつながっていますが、これら結合部にある関節が炎症を起こしている状態です。肋軟骨炎は原因不明の炎症とも呼ばれ、原因がはっきりしないことが多いです。

関節リウマチ、反応性関節炎、SAPHO症候群等のリウマチ性疾患において生じる場合や掌蹠膿疱症が原因の場合もあります。スポーツなどでの激しい動き、重い荷物の運搬などの肉体労働、かぜのときの激しいせきなどが炎症を起こす誘因となる場合もあります。

治療

痛み止めの鎮痛薬や湿布によって数週間で回復するケースが多いのですが、改善と炎症をくり返すことがあります。この場合は、心臓や肺などの内臓や血管の障害など、別の疾患の可能性を探って行くことになります。

胸痛が心臓性の場合(心筋梗塞等)は迅速な対応が必要なので、迷わず救急車を呼ぶことをお勧めしますが、痛みがそれほどではなく、上に記した症状の場合は、当クリニックでも原因を探り、適切な治療方法をご提案することが出来ます。

ここまで読んで戴き有難うございます。

(両国横綱クリニック院長:総合診療専門医が院長の墨田区両国の内科、皮膚科、アレルギー科)

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